乙女座冥王星世代と池井戸ドラマ

スポーツをエンターテイメントにした小説

10月に入り、ラグビー、陸上、バレーとスポーツ中継が花盛り。

特にラグビーは、ワールドカップ2019が開催されている中

日本チームの躍進もあり、毎日のようにテレビで放送されています。

ラグビーに全く興味がなかった私も、にわかファンとして日本チームを応援しています。

 

そのきっかけとなったのが、2019年夏ドラマとして放送された

池井戸潤氏原作の「ノーサイド・ゲーム」でした。

ストーリーは、出世の道を絶たれた中堅サラリーマンが、本社から左遷されて

地方工場の総務部長兼、低迷中のラグビー部のゼネラルマネージャーを命じられ

チームと自身の再起をかけて奮闘する物語。

 

私は、池井戸ドラマのファンなので、毎週楽しみにしていたドラマは終わりましたが

池井戸氏のドラマを見る度に感じていたこと

「何故ここまで、働くこと、生きることをリアルに描けるのか?」

ということを、占星術の観点から読み解いていきます。

 

池井戸ドラマの魅力

インターネットと SNS が日常生活の一部となっている現代社会では

テレビを見るよりも、好きな番組、自分の興味があるものだけが見られる

ネットフリックスやユーチューブを見ている人が多いでしょう。

 

ネットなら、テレビドラマのように、途中でスポンサーの CM によって中断されることもなく

スポンサーや局の意向によって、偏ったニュースや報道番組を見なくてすむので

今や、テレビ番組を見なくなってる人が年々増えています。

 

ですが、池井戸潤氏の原作がドラマ化される時には

一定の視聴者がそのドラマを見るので、池井戸ドラマは、そのシーズンの視聴率で上位に入り

代表作としては、視聴率50%を取った「半沢直樹」、「東京下町ロケット」「陸王」などがあります。

 

池井戸氏のドラマの特徴は、企業やスポーツを舞台にして

出来事を通して、出演者の心の動きがドラマの中で展開されていきます。

 

ストーリー展開、キャスティング、ロケ地選択など 丁寧に作られており

主人公が、理不尽な社会や人間関係の中でも、諦めずに生き残りをかけて戦うストーリーは

視聴者が、自分と主人公を重ねて「働くこと、生きること」について考えさせられるのです。

 

企業小説家の池井戸潤氏について、占星術の視点で読み解いてみました。

 

池井戸潤氏のホロスコープ

出生時間が不明なので、月とハウスを使わずにホロスコープを読んでいきます。

 

地と風の要素が強いので、広く浅く人と関わりながら情報収集を行い、人との距離感の取り方が上手で論理的

物事を詳細に分析して、現実的で、自分の完璧な世界を作ることがお得意なようです。

「子供の時から、作家になりたかった」とインタビューでお話されていますが

作家にとって必要な資質である「書く、読む、表現する」という技術を表す水星が双子座なので

好奇心や自分の思いを、表現する作家は「天職」と言えます。

 

その双子座水星には金星が寄り添い、乙女座火星、冥王星、天王星から刺激を受けています。

火星と冥王星のコンジャンクションは、徹底的に行動したり攻撃する力であり

天王星は、流行や時代の声を拾いながらも、常識から外れてアウトロー的な考え方をします。

この人もサラリーマン時代は、権力や、世の中、組織の理不尽さに対する怒りがあり

常識や組織の意向に従わない、反骨精神的な思想があったのでしょうか?

その反骨精神が、作品の中で、主人公の生き方として反映されているのかもしれません。

 

仕事や作品を表す双子座太陽は、水瓶座土星からサポートを受けているので

コツコツと積み上げ、継続的に物事を成し遂げる忍耐力があり

利己主義で、主張がころころ変わる双子座的な軽いノリや移り気ではなく

過去に縛られず、より現実的、未来志向な作品を継続的に書くことができます。

 

また、双子座太陽には、牡羊座木星と月もサポートしていますから

自分の好きなことしかやりたくない反面、感情的に突っ走らず

客観的に、かつ第三者的な視点で、物事や状況を判断します。

 

社会的な地位や居場所を獲得するために、自分の世界に入り込みすぎず

多くの人に共感される作品を作ることで、自分の価値、物質的な豊かさが入ってきます。

 

 

牡羊座に入る個人のキャラクターや気分を表す月には、木星が寄り添っていますから

目上の人や権力者からもサポート受けやすいし、基本、優等生で良い人、周りから可愛がられる人です。

 

牡羊座に入る木星は、月にが寄り添っていますから、目上の人や権力者からもサポート受けやすく

基本、優等生で良い人、周りから可愛がられる人です。

 

好きなようにやりたい牡羊座月木星に対して、強行突破する乙女座火星、冥王星、天王星が

世の中の常識ではなく、多くの人に夢や希望を与えるか海王星が相当なプレッシャーをかけていたはずです。

 

32歳で、銀行辞めてエリートコースから外れる生き方をされていますが

おそらく、家族や周囲からの相当な反対があったはずです。

 

それでも、自分の意思を貫き、退職してから3年で賞を受賞されるというのは

自分の夢に対して、現実的にどう叶えていくのか、現実と夢とのギャップを戦略的に埋める作業を

地道に続けてこられたからだと思います。

 

 

池井戸氏の人生の転換ポイント

人気小説家でありながら、今も現役で企業の役員もされているようで

MCが双子座だけあり、1つの肩書きでは物足りないようです。

 

ご自身も自負されているように、小説家で企業勤めをしている人は珍しいですが

企業を舞台に小説を書くなら、現場の雰囲気を常に感じていないと

時代の変化や、現実感覚から遠のいてしまうので、2足のわらじを履かれているのでしょう。

 

ここで、池井戸氏のプロフィールを引用すると

小説家。1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。 『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞
『鉄の骨』(講談社文庫)で第31回吉川英治文学新人賞
『下町ロケット』(小学館)で第145回直木賞を受賞。

 

華々しい経歴ですが、人生の転換期がこちらになります。

1995年:32歳で銀行を退職
1998年:35歳で江戸川乱歩賞受賞
2000年:37歳で小説がドラマ化される
2013年:50歳でドラマ半沢直樹が視聴率40%を記録

 

転換期について、経過図とサビアンシシンボルを使って読んでみると

 

32歳 プログレス太陽は蟹座26度 トランジット海王星が180度で刺激

「今のスタンスに危機感を覚え、より一層高みを目指すべく、努力を重ねることになるでしょう」

と仕事上の立場、私生活、人間関係などに危機が来る年。

 

35歳では、プログレスの太陽は蟹座の29度 トランジットの木星からサポートが入り

「現状をとことん利用する」現実と理想の間で揺れ動く年。

 

37歳では、プログレスの太陽は獅子座の1度 トランジットの木星がサポート

「周囲に与える影響が強くなり、何かと主役に抜擢されるチャンスが増える」

と底知れない自分の影響力が、怖いほど強いと実感する年。

 

50歳、プログレスの太陽は獅子座の14度 トランジットの土星、木星、天王星がサポート

「芸術、芸能にも縁が深い時期なので、仲間と一緒に感動体験をする」

と、気持ち的にノリノリで、アクティブに行動する年だったようです。

 

経歴だけみると順風に小説家になったような感じがしますが

「企業小説をエンターテイメントとして見せる」というコンセプトに辿りつくまでは

かなりの試行錯誤を重ねてこられたことでしょう。

 

実際、双子座、乙女座という柔軟サインに、それぞれ3つの天体が入っていますから

家族や、周囲の人からの影響は大きかったはずです。

 

また、完璧主義で理想が高く、神経質になりやすく、自分がやりたいことしかやりたくない反面

周囲の評価を気にして、自分の欠点を克服しようと切磋琢磨されてきたようです。

 

乙女座冥王星世代ですから、「働くこと」に対しては常に意識されていて

それをテーマに小説を書き、自分に対しても高い理想の境地を求めているようです。

 

冥王星による世代の特徴

冥王星は、ひとつのサインに14年~16年もいるので

世代によっては、サインの性質からくる集団意識を共有することになります。

 

人の一生は、70年から80年と言われていますが

冥王星は、ひとつのサインを12年から25年かけて回るため

12サイン全てを回る間に、家族の世代交代が起こります。

ですから、個人の特徴ではなく、世代的な性質が でてきます。

 

同世代同士だと、お互いの無意識、集合意識が共通しているので

天体の特徴には気づきませんが、社会に出て、異なる世代の人と関わることで

仕事のやり方、物事に対する反応が異なるので世代の特徴が分かるのです。

 

個人は集団意識の中で、自分は「どういう位置づけにいるのか」

確認することもできます。

 

冥王星といえば、破壊と再生の天体で、その人の心や状況に対して

0か100かを迫り、そのサインのテーマを破壊して再編します。

 

1956年~1971年生まれの人のホロスコープでは、冥王星は乙女座に入っていますから

この間に生まれた人たちは、乙女座冥王星世代として、同じ価値観を共有するのです。

 

乙女座のテーマは、「働くこと、奉仕、健康」ですが

同時に、自分に厳しく批判的で、完璧主義や減点主義が強く

理想が高いので、高い目標を目指して欠点を克服したり、職人になろうとするため

時に、心身共に疲弊してしまいます。

 

乙女座冥王星世代は、乙女座のテーマに対して、これまでになかった改革と再編を行い

乙女座に関することが、極端な状況として出てきやすいのです。

 

例えば

乙女座冥王星世代が、働き始めた時には、オフィス業務は手書きかFaxが主流でした。

数年後、ワープロ、インターネットが出てきたので、

これまでの手書きやワープロでの紙ベースの業務を、システム化、ペーパーレス化したり

在宅勤務、インターネット経由の会議など、仕事に対する概念、働き方を書き換えていこうとします。

ですから、この世代が社会的な権力を握れば、会社の業務の進め方は飛躍していくのです。

 

また、この世代の就職時は、バブル前で売り手市場だったので、就職先に困ることはなく

わりと、すんなり第一希望の仕事につけた人も多かったはずです。

 

ですが、1990年末に 株価暴落、地価の下落が始まると、銀行の不良債権処理が始まり

次々と会社が倒産し、 上司や年長者がクビになるの見てきたことがトラウマとなり

仕事を失う恐れ、会社に対する思い入れが強くなった世代でもあります。

 

冥王星は、ゼロか100というような、極端に結果が出てきますから

多くの会社の破綻、上司のクビを見てきたこの世代の働き方の特徴は

社畜のごとく異常に働いて過労死寸前までいくか

全く働かないニートや引きこもりのような状態(世にいう80・50問題)

というように、働くことに対して、両極端に傾きやすい傾向になります。

 

池井戸氏も乙女座冥王星世代ですから

銀行の仕事を通して、世の中の理不尽さ、人生の浮き沈みを見てきて

「働くこと」が無意識にインプットされているはずです。

 

その経験が彼の小説では、サラリーマンや中小企業の社長が働くことを通して

世の中の理不尽さや逆境、不正と立ち向かい、人の冷たさ、温かさを感じながら

孤軍奮闘する人間ドラマが描けるのだと思います。

 

そして、彼と同じ乙女座冥王星世代である視聴者は、

ドラマの主人公が、現実では言えないセリフを言いことに

自分の代弁者として投影し、共感しながらドラマを見てしまうのです。。

 

また、ドラマを作るプロヂューサーも、この世代の可能性かもしれません。

 

まとめ

乙女座冥王星世代にとっては、完璧主義なため、働くことに対して0か100の体験をすることが多いのです。

仕事で成功するか、仕事を失うかという両極端な体験です。

 

ですから、この世代は働くことに意識が向きやすく、仕事を失う恐怖におびえているか

その状況に耐えられず、ひきこもり人生を送ってしまうのです。

 

では、今回はここで終わりです。

 

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